【倉敷腰痛センター】アブラとは…?
こんにちは、倉敷腰痛センターの福田です。
今回は「アブラ」=「脂肪酸」の分類について詳しく説明していこうと思います。
「アブラ」=「脂肪酸」は、脂質の構成要素で、主に人間が活動するためのエネルギー源として用いられます。
この脂肪酸には多くの種類があるのですが、
基本は、炭素原子(C)と水素原子(H)、酸素原子(O)が繋がった長い鎖のようなものです。
炭素や水素の数や、つながり方の違いなどで、脂肪酸の種類や性質が決まっています。
脂肪酸の分子構造を示す化学式は例えばこんな感じ…
なんとなく、難しい話になってきました。
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」と聞いて、何が飽和しているのか?とお思いの方もいるでしょう。
それは水素原子が飽和しているかどうか、です。
脂肪酸は、主に炭素原子(C)と水素原子(H)が結合してできています。
この2つの原子のつながり方には決まったルールがあり、1個の炭素原子に、最大2個までの水素原子が結合できます。
「炭素原子:水素原子=1:2」の結合は水素原子の数が、これ以上結合できない最大数、つまり「飽和」しているため、「飽和脂肪酸」と呼ばれています。
しかし、ここから水素が1組外れている脂肪酸があります。
「水素が足りていない=飽和していない」ので、これを「不飽和脂肪酸」と呼びます。
ちなみに、「不飽和脂肪酸」は水素が足りないので、鎖の中で炭素同士が二重につながる部分ができるのですが、これを「二重結合」といいます。
二重結合がある部分は、炭素同士の結合がゆるいため、そのゆるい隙間に酸素が入り込んで酸化しやすくなります。そのため、不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸に比べて劣化=「酸化しやすい」という性質を持っています。
そして、「不飽和脂肪酸」の中でも、水素が1組外れているものを「一価不飽和脂肪酸」、そして、水素が2組以上外れているものを「多価不飽和脂肪酸」といいます。
この「多価不飽和脂肪酸」のうちのオメガ6とオメガ3が有名だと思います。
オメガ3は最初の2重結合が端から3番目にあり、オメガ6は端から6番目にあります。
不飽和脂肪酸の中では、一価より多価の方が酸素と反応しやすいので、酸化しやすいといえるでしょう。
オメガ9は比較的酸化しにくく、オメガ3と6は酸化しやすい脂肪酸になります。
酸化しやすい脂肪酸は高温で加熱すると急速に酸化し、傷んでしまうので加熱調理には向いていません。
ラードなどの動物性油脂が加熱調理向きといわれるのは、分子構造が安定している飽和脂肪酸を多く含むからです。
逆に植物油が加熱料理に向かないのは、酸化しやすい多価不飽和脂肪酸を多く含むものがほとんどだからといえます。
さらに、脂肪酸は原子が繋がって出来た鎖の長さによっても分類されています。
炭素(C)の数が12個以上のものは長鎖脂肪酸、8~10個のものは中鎖脂肪酸、7個以下のものは短鎖脂肪酸と、鎖の長さでも分類されます。
鎖が短い方がエネルギーとして利用されやすいので、脂質代謝を活性化する目的で、ココナッツオイルなどが勧められています。
これらは中鎖脂肪酸を多く含む食品なので、エネルギーとして利用されやすいとされています。
最後に、オリーブオイルを例えに具体的に説明してみます。
オリーブオイルに多く含まれる「オレイン酸」という脂肪酸があります。
「オレイン酸」は炭素数が18個の長鎖脂肪酸で、鎖の端から9番目にニ重結合があるオメガ9の脂肪酸です。そしてオメガ9はニ重結合が一つなので一価不飽和脂肪酸になります。
飽和、不飽和、オメガ3、オメガ6、オメガ9…、長鎖、中鎖、短鎖、、、
ひとことで「アブラ」といっても、これだけの種類があることは、私も調べて初めて知りました。
今回は、少し難しい話になってしまいましたが、今後はもう少し分かりやすく、それぞれの脂肪酸の特徴などをお伝えできればと思います。
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